「ウォーターサーバーの水って、水道水と何が違うの?」——導入を検討するとき、多くの人が最初に引っかかるのがこの疑問ではないでしょうか。毎日飲む水にお金をかける価値があるのか、判断するには両者の違いを具体的に知っておく必要があります。
ただ、ひとくちに「ウォーターサーバーの水」といっても、実は複数の種類があり、水道水との違いはタイプによって大きく異なります。この記事では、水の種類ごとの特徴を整理したうえで、水道水と比べた場合の違いと、自分に合うタイプの選び方を解説します。
※本記事の情報は、執筆・更新時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
ウォーターサーバーの水は主に3種類
天然水(ナチュラルミネラルウォーター)
特定の水源から採水した地下水を、加熱殺菌などの最低限の処理だけしてボトルに詰めたものです。採水地ごとにミネラルの含有量やpHが異なるため、水の味わいにも産地の個性が出ます。人工的に成分を調整していない点が特徴です。
RO水(逆浸透膜処理水)
原水を「RO膜(逆浸透膜)」という非常に目の細かいフィルターに通し、不純物をほぼ取り除いた水です。ミネラル分も一度取り除かれるため、後から必要な成分を加えている製品もあります。純度が高く、品質が安定しやすいのが特徴です。
浄水型(水道水を自分で注ぐタイプ)
ボトルの配送を受けるのではなく、自宅の水道水をサーバー本体のタンクに注ぎ、内蔵フィルターで濾過して使うタイプです。水そのものは水道水なので、水代がかからず月額料金が定額になるケースが多くなっています。
配送型とこのタイプのどちらを選ぶかは、水代・断水時・置き場所・契約期間の4つで分かれます。判断の手順は浄水型と宅配型を4つの軸で比べた記事で整理しています。
水道水との違いを4つの軸で比べる
成分・ミネラル
日本の水道水は水道法にもとづく水質基準を満たしており、そのまま飲んでも問題のない品質が保たれています。一方で、含まれるミネラル分は地域の水源によって差があります。
天然水は採水地ごとの成分がそのまま反映されるため、「どの産地の水を選ぶか」で成分が変わります。RO水は不純物とあわせてミネラルも除去されるため、限りなく純水に近い状態になります。浄水型は元が水道水なので、成分は住んでいる地域の水道水に準じます。
味・においの元になる残留塩素
水道水は衛生を保つために塩素消毒が行われており、蛇口に届く時点でも一定量の塩素が残るよう定められています。この残留塩素が、いわゆる「カルキ臭」の主な原因です。
ボトルで届く天然水やRO水には塩素が含まれていません。浄水型も、フィルターで残留塩素を除去する仕組みになっているのが一般的です。「水道水の味やにおいが気になる」という理由で導入を検討している場合、どのタイプでもこの点は解消されやすいといえます。
裏を返すと、蛇口から出る水道水と違い、サーバーの中には消毒成分が残っていないということでもあります。そのぶん注ぎ口や受け皿の手入れが必要になるため、自分で掃除できる範囲とできない範囲をまとめた記事もあわせてご覧ください
コスト
※以下の金額は本記事の執筆・更新時点の目安です。実際の料金は各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
水道水はきわめて安価で、1リットルあたり0.2円前後が目安とされています。これに対してボトル配送型は水代が継続的に発生し、浄水型は水代がかからない代わりに月額のサーバー料金が発生します。
金額だけを見れば水道水が圧倒的に安いため、コスト面での比較は「差額に見合う価値を感じるかどうか」という判断になります。なお、電気代やサーバーレンタル料まで含めたトータルコストの考え方については、コスパで選ぶ際の比較ポイントをまとめた記事で詳しく解説しています。
手間(買う・運ぶ・保管する)
ペットボトルの水を購入している場合、店頭で選び、持ち帰り、自宅で保管し、空き容器を処分するという一連の手間が毎回発生します。ウォーターサーバーはこの負担を減らせる点が、価格差に対する主な価値といえます。
ボトル配送型は自宅まで届くため買い物の手間がなくなりますが、ボトルの置き場所は必要です。浄水型はボトルの保管が不要な一方、タンクへの給水を自分で行う必要があります。
ここまでの4つの軸を踏まえても「水道水で足りるのでは」と感じる場合は、その判断も十分に合理的です。導入する価値が出る条件については、いらないと言われる理由と向いている人をまとめた記事で整理しています。
どのタイプを選ぶべきか
コストと置き場所を優先するなら浄水型
水をたくさん使う家庭ほど、使用量に比例して水代がかかるボトル型よりも、定額制の浄水型のほうが割安になりやすい傾向があります。ボトルのストックスペースが不要な点も、住居のスペースが限られている場合には大きなメリットです。
ただし、浄水型は水道水を注いで使う仕組みのため、断水した時点で新たに補給ができなくなります。災害への備えも兼ねたいと考えている場合は、備蓄水としてのウォーターサーバーについてまとめた記事もあわせてご覧ください。
水の産地や成分にこだわるなら天然水
「水そのものの味を楽しみたい」「特定の産地の水を選びたい」という場合は、天然水タイプが選択肢になります。採水地ごとに成分表が公開されているサービスが多いため、契約前に硬度やミネラル含有量を確認しておくとイメージとのズレを防げます。なお硬度については、提携6銘柄の硬度を並べて確認した記事で実数を比較しています。
赤ちゃんのミルクに使うなら硬度を確認する
粉ミルクの調乳に使う場合は、水の硬度が重要な判断材料になります。一般的に、赤ちゃんには軟水が適しているとされているためです。天然水を選ぶ場合は産地ごとの硬度を、RO水や浄水型を選ぶ場合はミネラル添加の有無を確認しておきましょう。
安全機能や衛生管理を含めた具体的なチェックポイントは、赤ちゃんがいる家庭向けの選び方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
契約前に確認しておきたいこと
「安いプラン」ほど契約期間が長いことがある
同じサービス内でも、契約年数の長いプランほど水の単価が安く設定されているケースがあります。月額の表示価格だけを見て申し込むと、想定より長い期間の縛りがついていた、ということになりかねません。
判断のコツは、安いプランと短いプランの差額を年換算して比べてみることです。差額が小さいのであれば、契約期間の短いプランを選んだほうが、途中で解約したくなった場合のリスクを抑えられます。
最低利用期間内の解約には違約金がかかる
ウォーターサーバーの多くは、サーバー本体を無料でレンタルする代わりに最低利用期間を設定しています。期間内に解約すると違約金が発生するため、契約前に金額と期間を必ず確認しておきましょう。詳しくは解約時の違約金についてまとめた記事で解説しています。
電気代も含めて考える
水代やレンタル料に加えて、サーバーを常時通電させるための電気代も毎月かかります。エコモードの有無で差が出る部分なので、電気代の仕組みと節約方法をまとめた記事もあわせて確認しておくと、トータルコストのイメージがつかみやすくなります。
天然水タイプを検討する場合、「オーケンウォーター」のような選択肢があります。公式サイトによると、富士山・大分天領・京都丹波の3つの採水地から、お届け先に近い産地の天然水が届く仕組みで、いずれの産地も硬度は50以下の軟水です。サーバーレンタル料と送料は無料とされています。
浄水型が気になる方は、「every frecious」もあわせて検討してみてください。公式サイトによると初期費用や工事が不要で、水道水を注いで使うタイプのウォーターサーバーです。
まとめ:違いを知れば、必要かどうかが判断できる
ウォーターサーバーの水と水道水の違いは、成分・残留塩素・コスト・手間という4つの軸で整理できます。日本の水道水はそのまま飲める品質が保たれているため、ウォーターサーバーを導入する価値は「味の好み」と「手間の削減」をどう評価するかで決まります。
そのうえでタイプを選ぶ際は、コストと置き場所を優先するなら浄水型、水の産地や成分にこだわるなら天然水、というのが基本的な考え方です。契約前には料金だけでなく、契約期間・違約金・電気代まで含めて比較することをおすすめします。


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