ウォーターサーバーを選ぶとき、多くの人が気になるのが「結局どれが一番コスパがいいのか」という点です。月額料金の安さだけを見て選んでしまうと、実は水代やレンタル料、電気代まで含めると想定より高くついていた、ということもあります。
さらに近年は、ボトルが届く「配送型」と、水道水を自分で注ぐ「浄水型」という料金の仕組みがまったく異なる2つのタイプが選べるようになり、単純な横並び比較が難しくなっています。この記事では、コスパを比較する際に見るべき項目を整理したうえで、タイプの違う2つのサービスを例に、実際の比べ方を解説します。
※本記事の情報は、執筆・更新時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
「コスパがいい」を月額料金だけで判断してはいけない理由
ウォーターサーバーの費用は、月額の水代だけで構成されているわけではありません。サーバーレンタル料、電気代、配送料、メンテナンス費用など、複数の項目が組み合わさって最終的な負担額になります。月額料金の表示だけを比較すると、実際のトータルコストを見誤ってしまうことがあります。
特に、配送型と浄水型では料金の発生の仕方そのものが違います。配送型は「使った分だけ水代がかかる」従量制に近い仕組み、浄水型は「使っても使わなくても月額が一定」の定額制です。この違いを踏まえずに月額表示だけを並べても、比較になりません。
| 費目 | 配送型 | 浄水型 |
|---|---|---|
| 水代 | 使った分だけ発生(1L単価×使用量) | 発生しない(水道水) |
| サーバー月額 | 無料のサービスが多い | 月額に含まれる(定額) |
| 送料 | 無料が多い。地域により別途 | 発生しない |
| 電気代 | 発生する | 発生する |
| 使用量が増えたとき | 比例して増える | 変わらない |
コスパを比較するときに見るべき4項目
水代(1リットルあたりの単価に換算する)
水の価格は、ボトル1本あたりで表示されているサービスと、1セット単位で表示されているサービスがあり、そのままでは比較しにくいことがあります。表示価格をボトルの容量で割り、1リットルあたりの単価に換算してから比べると、実態に近い比較がしやすくなります。
浄水型の場合、水そのものは水道水なので、この項目は実質ゼロになります。その代わりに月額のサーバー料金が固定でかかるため、「1ヶ月にどれだけ水を使うか」によって、どちらが割安かが逆転します。
なお、天然水・RO水・浄水型では料金の考え方そのものが異なります。水質の面から比べたい場合は、天然水の硬度を実数で並べた記事もあわせてご覧ください。水の種類ごとの違いをまとめた記事もあわせてご覧ください。
サーバーレンタル料・送料の有無
サーバー本体のレンタル料が無料のサービスと、月額数百円〜千円程度かかるサービスがあります。水代が安くても、レンタル料込みで見ると割高になっているケースもあるため、両方を合算して確認することが大切です。
配送型の場合は、これに加えて送料の扱いも確認が必要です。送料無料をうたっていても、地域によっては別途費用がかかる場合があります。
電気代の目安
ウォーターサーバーは常時通電が前提のため、電気代は毎月確実に発生する固定費です。契約前に、公式サイトに記載されている月間の電気代目安を確認しておくと、トータルコストのイメージがつかみやすくなります。エコモードの有無で差が出る部分でもあります。
見落とされやすいのは、同じサービス内でも機種によって電気代が違うことです。月額料金が最も安い機種が、電気代まで含めた合計でも最安とは限りません。後述する具体例でも、この逆転が起きています。
電気代の仕組みや節約方法については、電気代についてまとめた記事で詳しく解説しています。
最低利用期間・違約金
短期間で解約する可能性がある場合、違約金の有無や金額も実質的なコストに影響します。また、同じサービス内でも契約年数の長いプランほど単価が安く設定されていることがあるため、「安いプランを選ぶ=お得」とは限りません。月あたりの差額を年換算し、縛りの長さに見合うかを確認しておきましょう。
もうひとつ注意したいのが、条件が「年数」だけとは限らない点です。配送型の中には、契約年数に加えて「水の購入回数が規定に達しているか」を条件にしているサービスもあります。年数を満たしていても、配送をスキップし続けて注文回数が足りなければ費用が発生する、という設計です。契約前には期間だけでなく、回数条件の有無まで確認しておく必要があります。
ウォーターサーバーの解約金の相場と確認ポイントをまとめた記事もあわせてご覧ください。
配送型と浄水型、どちらがコスパで有利か
水をたくさん使う家庭は浄水型が有利になりやすい
浄水型は定額制のため、使用量が増えても月額は変わりません。料理や麦茶作りにも使うなど、水の消費量が多い家庭ほど、1リットルあたりの実質単価が下がっていく計算になります。ボトルの保管スペースが不要な点も、住居のスペースが限られている場合にはコスト以外のメリットになります。
ただしコスト以外の条件でも方式は分かれます。断水したときに水が残るか、契約期間の条件がどの形かという点は金額に出てこないため、浄水型と宅配型を4つの軸で比べた記事で並べています。
使用量が少ない場合は「配送頻度を落とせるか」が条件になる
逆に、飲用が中心で月の使用量がそれほど多くない場合は、配送型のほうが負担を抑えられます。ただしこれは無条件に成り立つ話ではありません。
多くの配送型サービスには最低注文本数が設定されており、1回の配送で12リットルのボトルが2本(合計24リットル)届く、といった単位になっています。使用量が月10リットル程度でも、注文単位が24リットルであれば、その分の水代は発生します。「使わないから安くなる」わけではない点が落とし穴です。
そこで効いてくるのが、配送のスキップ制度です。スキップができるサービスであれば、2ヶ月に1回の配送に落とすことで、月あたりの水代を実質的に半分にできます。使用量が少ない人が配送型を選ぶ場合は、スキップの可否と、スキップできる期間の上限を必ず確認しておきましょう。
ただし、スキップで在庫を持たない運用にすると、未開封のボトルが家にない状態が続きます。災害時の備えを兼ねる前提で考えている場合は逆に働くため、備蓄水として使えるかを整理した記事もあわせて確認してください
ただし前述のとおり、注文回数が解約条件に絡むサービスもあります。スキップを多用すると解約時に費用が発生する設計になっていないか、あわせて確認が必要です。
価格差だけでなく「何にお金を払っているか」で見る
配送型は水そのものの品質や産地に対して、浄水型は手軽さと定額の安心感に対してお金を払っている、と整理すると判断しやすくなります。単価が安いほうが常に正解ではなく、自分が何を重視しているかによって「コスパがいい」の答えは変わります。
計算した結果、支払う金額に見合わないと感じる場合もあるはずです。そもそも導入すべきかどうかから迷っている方は、いらないと言われる理由と向いている人をまとめた記事もあわせてご覧ください。
タイプの違う2サービスで比べてみる
※以下の料金・電気代は本記事の執筆・更新時点の目安です。実際の金額はプランや地域、電力会社の料金プランによって異なります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
天然水の配送型:オーケンウォーター
配送型で天然水を検討する場合の例が「オーケンウォーター」です。公式サイトによると、サーバーのレンタル料と送料が無料で、費用は水代と電気代に絞られる仕組みになっています。
料金は1セット(12L×2本=24L)あたりで表示されており、天然水の場合、契約年数の長いおトクプランで税込3,950円、期間が短めの基本プランで税込4,246円とされています。1リットルあたりに換算すると、おトクプランで約165円、基本プランで約177円という計算になります。不純物を除去したRO水を選ぶ場合はさらに単価が下がり、おトクプランで税込2,696円(1リットルあたり約112円)です。
電気代については、公式サイトによるとエコモードの使用で消費電力を最大60%削減でき、月474円が目安とされています。ボトルは使い切ったら破棄できるワンウェイ方式で、空きボトルの保管が不要な点も、置き場所を含めた「見えないコスト」を考えるうえでは判断材料になります。
注文は最低2本(1セット)から、定期配送は最大59日までスキップできるとされています。使用量が少ない場合は、この仕組みで月あたりの水代を調整することになります。
解約時の扱いについては、契約年数に加えて水の購入回数も条件に含まれる仕組みで、金額はプランや契約時期によって異なります。数字が独り歩きしやすい部分なので、契約前に公式サイトおよび契約書面で必ず確認してください。
定額制の浄水型:every frecious
一方、浄水型の例が「every frecious」です。公式サイトによると初期費用や設置工事が不要で、自宅の水道水をタンクに注いで使うタイプのため、水代という項目自体が発生しません。
月額料金は機種によって分かれており、公式サイトによると次のように設定されています。
- lite:税込2,750円/月(電気代の目安 約623円〜)
- mini:税込3,300円/月(電気代の目安 約453円〜)
- tall:税込3,300円/月(電気代の目安 約401円〜)
- tall+cafe:税込3,850円/月(電気代の目安 約401円〜)
電気代はいずれもSLEEP/ECO機能を使用した場合の目安として公表されている数値です。送料・工事費用・交換用カートリッジ代はいずれも0円とされており、上記以外に発生するのは自宅の水道料金だけという構成になっています。
ここで先ほどの「機種によって電気代が違う」という話が効いてきます。月額が最も安いのはliteですが、電気代の目安は最も高く設定されています。両方を足すと、liteが約3,373円、tallが約3,701円、miniが約3,753円となり、月額表示では550円あった差が、電気代込みでは約330円まで縮む計算になります。月額の数字だけを見て選ぶと、想定していたほどの差が出ないことがある一例です。
解約については、公式サイトのよくある質問によると、レンタルプランの契約後またはサーバー交換後、3年未満で解約した場合は40,000円(不課税)が発生するとされています。契約時期によって金額が異なる場合があるとも記載されているため、契約書面の確認が前提になりますが、いずれにしても3年という期間は短くありません。月額の安さと合わせて、この点は必ず天秤にかけてください。
ボトルの受け取りや保管が不要な反面、タンクへの給水は自分で行う必要があります。最新の料金やキャンペーンの内容は変更される場合があるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。
損益分岐点を計算してみる
仕組みが異なる2つを同じ土俵に乗せるには、次の式で計算します。
- 配送型:1リットル単価 × 1ヶ月の使用量 + 電気代
- 浄水型:月額料金 + 電気代(使用量に関係なく一定)
上で挙げた数字を当てはめてみます。オーケンウォーターの天然水おトクプラン(1リットル約165円)に電気代474円を足した式と、every freciousのtall(月額3,300円+電気代約401円=約3,701円)を並べると、両者が釣り合うのは1ヶ月あたりおよそ20リットルを使ったときです。liteの合計約3,373円と比べる場合は、およそ18リットルが分かれ目になります。
| 1ヶ月の使用量 | 配送型(天然水おトクプラン) | 浄水型 lite | 浄水型 tall |
|---|---|---|---|
| 12L(2ヶ月に1セット) | 約2,454円 | 約3,373円 | 約3,701円 |
| 18L | 約3,444円 | 約3,373円 | 約3,701円 |
| 20L | 約3,774円 | 約3,373円 | 約3,701円 |
| 24L(毎月1セット) | 約4,434円 | 約3,373円 | 約3,701円 |
| 36L | 約6,414円 | 約3,373円 | 約3,701円 |
この20リットルという数字には具体的な意味があります。配送型の1セットは24リットルなので、毎月1セットを受け取っているなら、定額制の浄水型のほうが安く収まるということです。逆に、スキップを使って2ヶ月に1セットのペース(月12リットル相当)まで落とせるなら、配送型のほうが月あたり1,000円以上安くなります。
つまり「配送型と浄水型のどちらが安いか」という問いには、使用量を決めない限り答えが出ません。逆に言えば、使用量さえ決まれば答えは一つに定まります。
※上記はいずれも本記事の執筆・更新時点に公表されている数値をもとにした試算です。実際の電気代は使用環境によって変動し、キャンペーン適用時は月額が変わります。
比較のまとめ方
この2つのように仕組みが異なるサービスを比べるときは、「自分が1ヶ月に何リットル使うか」を先に決めてしまうのが近道です。現在ペットボトルの水を買っているなら、1ヶ月の本数を数えるだけで概算できます。その数字を上の式に入れれば、どちらが自分にとって割安かは機械的に判定できます。ペットボトルを買い続ける場合とも比べたいときは、ウォーターサーバーとペットボトルの費用を比べた記事で使用量別に並べています。
そのうえで、金額が近い場合は解約条件で比べてください。浄水型は3年という期間の縛り、配送型は年数と購入回数の組み合わせと、条件の形が違います。月あたり数百円の差であれば、途中でやめられるかどうかのほうが、結果的に大きな金額差になることがあります。
まとめ
ウォーターサーバーのコスパは、月額料金だけでなく、レンタル料・送料・電気代・違約金まで含めたトータルコストで判断することが大切です。特に配送型と浄水型は料金の発生する仕組みが根本的に異なるため、表示価格の並列比較では正しく判断できません。
まずは自分の1ヶ月あたりの使用量を把握し、そのうえで「水代+レンタル料+電気代」を月あたりの合計で計算して横並びにしてみましょう。今回の試算では月20リットル前後が分かれ目でしたが、この数字は選ぶプランや機種によって動きます。自分の条件で一度計算してみてください。
使用量が多いなら定額制の浄水型、水の産地や品質を重視するなら配送型、というのが基本的な考え方になります。そして金額が拮抗したときは、解約条件の重さで判断するのが失敗の少ない選び方です。


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