赤ちゃんのミルク作りに、ウォーターサーバーの水を使いたいと考えている方は多いのではないでしょうか。お湯がすぐに使えて、夜中の授乳やミルク作りの負担を減らせるのは大きな魅力です。一方で、「本当に赤ちゃんに使っても安全なの?」と不安に感じる方も少なくありません。この記事では、ウォーターサーバーを赤ちゃんのいる家庭で安全に使うためのポイントを解説します。
※本記事の情報は、執筆・更新時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
「ウォーターサーバーのミルクはだめ」と言われる理由は4つ
「ウォーターサーバーの水で粉ミルクを作るのはだめ」という話を見かけて、不安になった方もいるかもしれません。ただ、この「だめ」は一つの理由でまとめられるものではなく、分けて見ていくと4つに整理できます。そして、そのうちサーバー選びの段階で解決できるものと、使い方の問題であるものは別物です。
1. 硬度の高い水を使っている
1つ目は、水の硬度です。日本で販売されている粉ミルクは、日本の水道水と同じ軟水で調乳することを前提に成分が設計されています。硬度の高い水はカルシウムやマグネシウムを多く含むため、粉ミルク側で整えられたミネラルのバランスとずれてしまいます。母子栄養協会の解説によると、目安は硬度100mg/L未満の軟水です。
逆に、「ミネラルが入っていない水ではだめなのでは」と考える必要はありません。赤ちゃん向けに市販されている調乳用の水は硬度ゼロの純水が中心で、ミルクに必要な成分は粉ミルクそのものに含まれているためです。RO水(逆浸透膜処理水)のようにミネラルを取り除いた水も、この点では不利になりません。
2. 温水の温度が70℃を下回っている
2つ目は温度です。粉ミルクは無菌の食品ではないため、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が2007年に示した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」では、70℃以上のお湯で溶かすことが求められています。横浜市衛生研究所の解説によると、これは粉ミルクに混入している可能性があるCronobacter sakazakii(サカザキ菌)などの病原菌を殺菌するためです。
ウォーターサーバーの温水は80〜90℃程度に設定されている機種が多く、この条件自体は満たします。注意したいのは節電機能のほうです。エコモードを使うと温水の温度が下がる機種があり、たとえばevery freciousは公式サイトによると、通常時80〜85℃に対してECOモード時は約70〜75℃とされています。70℃以上という条件は満たしているものの余裕は大きくないため、調乳に使うときはエコモードを解除した状態の温水を使うほうが確実です。
3. サーバー内部の衛生状態を見ていない
3つ目は衛生面です。ウォーターサーバーは水の通り道と注ぎ口が常に湿った状態にあるため、手入れをしないままだと汚れやカビが出ることがあります。この場合に問題があるのは水そのものではなく、管理の状態のほうです。
ただし、利用者が自分で掃除できる範囲と、分解できないため手が届かない内部は分かれます。掃除できる範囲とできない範囲をまとめた記事もあわせてご覧ください
4. 調乳したあとに冷やす工程が抜けている
4つ目は、溶かしたあとの扱いです。70℃以上のお湯で溶かした後は、授乳できる温度まで下げる必要があります。横浜市衛生研究所は、流水にあてるか、冷水または氷水を入れた容器に浸けて短時間で冷ますよう案内しています。
ウォーターサーバーは温水と冷水の両方が使えるため、この工程自体は短くしやすい設計です。ただし、はじめから温水と冷水を混ぜてぬるま湯を作り、それで粉ミルクを溶かしてしまうと70℃以上という条件を満たせません。溶かす段階では温水だけを使い、冷やすのはその後、という順番になります。
契約前に確認できるのは1と2だけ
この4つを並べると、サーバー選びの段階で判断できるのは1と2です。軟水かどうかは水の種類と採水地の硬度で、温水の温度は仕様表で、どちらも申し込む前に確認できます。一方で3と4は、どのサーバーを選んでも使い方次第で起こります。つまり「ウォーターサーバーだからミルクには使えない」という話ではなく、契約前に確認する項目と、毎日の手順の問題を分けて考えるのが実際のところです。
なお、月齢や体調による個別の判断は本記事では扱えません。気になる点は医師・助産師・保健師等にご相談ください。
ウォーターサーバーの水はミルク作りに使える?
水質・成分表示の確認ポイント
ウォーターサーバーで使われる水には、天然水と、不純物を取り除いたRO水(逆浸透膜処理水)など、いくつかの種類があります。ミルク作りに使う場合は、成分表示を確認し、ミネラル分の含有量をチェックすることが大切です。ミネラルウォーターの中には硬度が高いものもあり、赤ちゃんの未熟な内臓機能に負担をかける可能性があるとされています。
軟水・硬水の違いと赤ちゃんへの影響
一般的に、赤ちゃんのミルク作りには軟水が適しているとされています。硬水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれており、赤ちゃんの体には負担になりやすいためです。ウォーターサーバーを選ぶ際は、軟水を使用しているサービスかどうかを事前に確認しましょう。
確認の仕方は水のタイプによって変わります。天然水は採水地ごとに硬度が公開されているサービスが多いため、成分表で数値を確認できます。浄水型は元が水道水なので、成分は住んでいる地域の水道水に準じます。RO水は不純物とあわせてミネラルも除去されるため、後からミネラルを添加しているかどうかを確認しておくとよいでしょう。
安全に使うための注意点
定期的な衛生管理(ボトル交換・内部洗浄)の重要性
ウォーターサーバーは、内部にカビや雑菌が繁殖しやすい環境になることがあります。特に赤ちゃんが口にするミルクに使う水だからこそ、サーバー内部の定期的なメンテナンス(自動洗浄機能の有無、フィルター交換の頻度など)がしっかりしているサービスを選ぶことが重要です。契約前に、メンテナンス体制についても確認しておきましょう。
チャイルドロック機能の有無
赤ちゃんが成長してハイハイやつかまり立ちを始めると、誤ってウォーターサーバーのレバーを操作してしまう危険性が出てきます。特に温水ボタンにチャイルドロックが付いているかどうかは、安全面で非常に重要なチェックポイントです。ただしロックが付いていても、成長とともに子どもが解除できるようになることがあります。今の機種のロックを後から強化する方法はチャイルドロックを後付けする4つの方法をまとめた記事で扱っています。
高温設定によるやけどリスクへの対策
ウォーターサーバーの多くは、80℃以上の温水が出る設計になっています。赤ちゃんが誤って温水に触れてしまうと、大きなやけどにつながる恐れがあります。給水口の位置が高い位置に設計されているか、温水ロックの操作が二段階になっているかなど、事故防止の設計がされている機種を選ぶことをおすすめします。
赤ちゃんがいる家庭向けの選び方
ミルク調乳に適した温度設定ができるか
粉ミルクの調乳には、WHO(世界保健機関)のガイドラインで70℃以上のお湯が推奨されています。ウォーターサーバーの温水温度がこの基準を満たしているか確認しておくと、いちいちお湯を沸かし直す手間を省けます。詳しい調乳方法は、お住まいの自治体や医師・助産師にもご確認ください。
出産前の準備という観点では、食事の手配も同じタイミングで進めておくと産後が楽になります。産後に宅配弁当を使う場合の準備をまとめた記事もあわせてご覧ください。
チャイルドロックなど安全機能の有無
先述の通り、温水ボタンのチャイルドロックは必須のチェックポイントです。加えて、サーバー本体の転倒防止機能や、コンパクトで置き場所に困らないデザインかどうかも、赤ちゃんのいる家庭では重要な選定基準になります。
サーバーの高さ・転倒防止機能
赤ちゃんやハイハイ期の子どもがいる家庭では、サーバー本体が倒れにくい安定した設計になっているかも確認しておきたいポイントです。据え置き型は安定性が高い一方で場所を取るため、部屋のスペースと相談しながら選びましょう。
設置スペースを重視して卓上型を検討する場合は、卓上型の選び方についてまとめた記事もあわせてご覧ください。
また、寝室や子ども部屋に設置する場合は、夜間の稼働音も気になるところです。音の原因と対策については、音がうるさいときの対策をまとめた記事もあわせてご覧ください。
一人暮らしの方や、電気代を含めたコストが気になる方は、ウォーターサーバーの電気代の目安をまとめた記事もあわせてご覧ください。
例えば「every frecious」は、公式サイトによると浄水型で、初期費用や工事が不要な手軽さが特徴です。安全機能や水質について気になる方は、公式サイトで詳細を確認してみてください。
天然水で硬度を確認したうえで選びたい場合は、「オーケンウォーター」という選択肢もあります。公式サイトによると、富士山・大分天領・京都丹波の3つの採水地から近い産地の水が届く仕組みで、硬度はそれぞれ50・36・31と、いずれも軟水に分類される水準です。温水は80〜90℃とされているため、調乳に推奨される70℃以上という条件も満たしています。
ただし、チャイルドロックや転倒防止といった安全機能の仕様は機種によって異なります。赤ちゃんのいる家庭で使う前提であれば、水質だけでなく安全機能の詳細も公式サイトで確認したうえで判断してください。
なお、調乳が落ち着いた先には離乳食の時期が控えています。作る工程の多さで手が止まりやすい時期なので、離乳食の工程をどこまで外に出せるかをまとめた記事も先に目を通しておくと準備がしやすくなります。
まとめ:安全機能と水質を確認して、安心して選ぼう
赤ちゃんのいる家庭でウォーターサーバーを使う際は、水質(軟水かどうか)、衛生管理体制、そしてチャイルドロックなどの安全機能をしっかり確認することが大切です。これらのポイントを押さえたサービスを選べば、日々のミルク作りの負担を減らしながら、安心して使い続けることができます。
導入を検討する際は、まずは各サービスの公式サイトで水質検査結果や安全機能の詳細を確認し、必要であればお試しセットやキャンペーンを利用して試してみることをおすすめします。
なお、お子様の健康状態や個別の育児に関するご不安がある場合は、必ず医師・助産師・保健師等の専門家にご相談ください。


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