一人暮らしでウォーターサーバーの導入を検討する際、多くの人が気になるのが「電気代がどのくらいかかるのか」という点です。「思ったより高くついた」という声も見かけますが、実際の目安額を知ると、印象と実態にはずれがあることが分かります。
そしてもうひとつ、一人暮らしだからこそ知っておきたい構造があります。ウォーターサーバーの電気代は、水をあまり使わない人でも安くならないという点です。この記事では、電気代の実額と仕組みを整理したうえで、一人暮らしでの負担の考え方と、実際に効果のある節約方法を解説します。
※本記事の情報は、執筆・更新時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
ウォーターサーバーの電気代はいくらかかるのか
※以下の電気代の目安は本記事の執筆・更新時点のものです。実際の金額は使用機種や電力会社の料金プランによって異なります。
電気代が発生する仕組み
ウォーターサーバーの電気代は、主に「冷却」と「加熱(温水機能)」の2つを維持するために発生します。多くの機種は常時通電しており、設定した温度を保つために電力を使い続ける仕組みです。冷蔵庫と同じで、電源を入れている限り一定の電力を消費し続けると考えるのが実態に近くなります。
水を注ぐという操作そのものに電力を使うわけではありません。注いだ分だけ新しい水が冷却・加熱されるため多少は増えますが、消費電力の大半は「待機している時間」に発生しています。
実際の目安は月400〜600円台
各社が公式サイトで公表している電気代の目安を見ると、省エネ機能を使用した場合でおおむね月400〜600円台に収まっているケースが多くなっています。たとえば浄水型のevery freciousは機種によって約401円〜約623円、配送型のオーケンウォーターはエコモード使用時で月474円が目安とされています。
いずれも省エネ機能を使った場合の数値であり、機能をオフにしたまま使えばこれより上がります。逆に言えば、「月1,000円を超える」という話は、省エネ機能を使っていない、あるいは旧型機種を前提にした数字である可能性があります。
機種ごとの月額料金と電気代を並べた具体的な比較は、コスパの比較ポイントをまとめた記事で詳しく扱っています。
「使わなければ安くなる」ものではない
ここが電気代の性質として重要な点です。ウォーターサーバーの電気代は、使用量にほとんど比例しません。旅行で1週間家を空けても、電源を入れたままであれば、その間も温度を保つための電力は消費され続けます。
つまり電気代は、使った分だけ払う従量制の費用ではなく、契約している限り毎月発生する固定費に近い性質を持っています。この前提が、一人暮らしでは効いてきます。
一人暮らしは1リットルあたりの電気代が跳ね上がる
使用量が少ないほど単価は上がる
電気代が固定費に近いということは、水をたくさん使う人ほど1リットルあたりの負担が下がり、あまり使わない人ほど上がるということです。
仮に電気代を月450円として計算してみます。飲用が中心で月10リットル程度しか使わない場合、水1リットルあたりの電気代は45円です。一方、料理や麦茶作りにも使って月24リットル(12リットルボトル2本分)使う家庭なら、1リットルあたり約19円まで下がります。同じ450円でも、単価では2倍以上の差がつきます。
一人暮らしは、家族世帯と比べて使用量が少なくなりやすい条件がそろっています。在宅時間が短く、自炊の回数も少ない場合、この単価の高さがそのまま「割に合わない」という感覚につながります。
ただし金額そのものは小さい
とはいえ、単価が高いことと、家計への影響が大きいことは別の話です。月450円は年間で約5,400円。決して無視できる金額ではありませんが、ウォーターサーバーにかかる費用全体で見ると、電気代が占める割合は1割前後にとどまります。
浄水型であれば月額料金が2,750円〜3,850円程度、配送型であれば水代が1セット3,000〜4,000円台というのが目安です。ここに電気代が数百円乗る、という構造になっています。
したがって、電気代を基準に機種を選ぶのは効率のよい判断とは言えません。見るべきは「月額料金と電気代を足した合計額」であり、電気代単体の安さで選ぶと、月額料金の差で逆転されることがあります。
一人暮らしで電気代を左右する4つの要因
省エネモード・エコモードの有無
電気代に最も大きく効くのがこの機能です。使用しない時間帯に自動で消費電力を落とすエコモードや、光センサーで室内の明るさを検知して夜間に節電するタイプの機種が増えています。公式サイトによると、エコモードの使用で消費電力を最大60%程度削減できるとしているサービスもあります。
各社が公表している電気代の目安は、この省エネ機能を使った状態での数値であることが多い点に注意してください。機能をオフにして使う前提なら、目安額より高くなります。
温水機能を使うかどうか
消費電力の内訳では、水を80℃前後まで加熱して保温し続ける温水機能の比重が大きくなります。冷水しか使わないのであれば、温水機能をオフにできる機種を選ぶことで消費電力を抑えられます。
ただし、温水機能をオフにすると再加熱に時間がかかります。カップ麺やコーヒーにすぐ使えることをメリットとして導入したのであれば、常時オフにするのは本末転倒です。使う頻度と相談して決める部分になります。
設置場所の室温
ウォーターサーバーは周囲の気温の影響を受けやすく、特に夏場は冷却のために消費電力が増える傾向があります。直射日光が当たる場所、コンロや冷蔵庫の放熱に近い場所、壁にぴったり寄せて熱がこもる場所は避けたほうが無難です。
ワンルームでは設置できる場所が限られるため、コンセントの位置と放熱スペースの両方を満たす場所を、契約前に確認しておくとよいでしょう。
卓上型なら安い、とは限らない
「卓上型はコンパクトだから電気代も安い」と思われがちですが、これは必ずしも成り立ちません。同じメーカーの機種を比べても、卓上型のほうが据え置き型より電気代の目安が高く設定されているケースがあります。
本体が小さくても、冷却と加熱を行う機構そのものは搭載されているためです。むしろタンク容量が小さいぶん、注いだあとの温度変化が大きく、加熱や冷却が働く頻度が上がるという見方もできます。
卓上型を選ぶ理由は、設置スペースの節約であって電気代ではありません。電気代を比べたい場合は、タイプで判断せず、機種ごとに公表されている目安額を確認してください。
設置場所から絞り込みたい方は、卓上型ウォーターサーバーの選び方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
電気代を抑えるための工夫
エコモードは常時オンにしておく
最も確実で、手間もかからない方法です。搭載されているのに設定していない、という状態が一番もったいないため、設置時に必ず確認してください。就寝中や外出中に温水機能を止めるタイマーがある機種なら、あわせて設定しておきます。
こまめに電源を切るのは避ける
節電のつもりで電源を抜くのは、基本的におすすめできません。再通電時に設定温度まで戻すためのまとまった電力が必要になるうえ、温度が上がった状態で長時間放置することは衛生面でも推奨されていません。長期不在時の扱いについては、各社が公式サイトで手順を案内しているため、それに従うのが安全です。
節約で動く金額の上限を知っておく
現実的な話として、電気代の工夫で動く金額には上限があります。仮に月600円かかっていたものをエコモードで400円まで下げられたとしても、差は月200円、年間で約2,400円です。
一方、契約するプランや契約年数の選び方では、月に数百円から1,000円以上の差がつくことがあります。使用量に合わせて配送頻度を調整できるかどうかでは、さらに大きく変わります。電気代の細かい節約に時間をかけるより、契約前の比較に時間をかけたほうが、金額のインパクトは大きくなります。
一人暮らしでウォーターサーバーは必要か、という視点も
ここまで見てきたとおり、電気代は月400〜600円台が目安で、総コストの1割前後にとどまります。判断を左右するのは、むしろ水代とサーバーレンタル料のほうです。一人暮らしの場合、浄水器やペットボトルの購入と比較してトータルコストがどちらが安いかを一度シミュレーションしてみることをおすすめします。「常温水・冷水・温水がすぐ使える」という利便性を重視するかどうかも、判断材料のひとつになります。
一人暮らしの固定費という観点では、食費の見直しも同じ考え方で判断できます。一人暮らしに食材宅配は割高かをまとめた記事もあわせてご覧ください。
在宅で仕事をしている場合は、電気代よりも設置場所のほうが判断を分けます。机の周りに置けるかどうかで効果が変わるため、在宅ワークで必要になる3つの条件をまとめた記事で判定の手順を整理しています。
そもそも水の種類によってコスト構造が変わるため、水道水との違いを種類別にまとめた記事もあわせて確認しておくと、比較の軸が整理しやすくなります。
また、一人暮らしでも備蓄水を確保しておきたい場合、ボトルが定期的に届くタイプであれば防災の備えを兼ねることができます。詳しくは災害時の備蓄水としての使い方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
なお、赤ちゃんがいるご家庭でウォーターサーバーを検討している場合は、赤ちゃんのミルク作りと安全機能をまとめた記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
電気を使って冷却と加熱を続けている以上、その動作は音としても現れます。ワンルームで寝る場所と設置場所が近い場合は、電気代と合わせて稼働音も確認しておきたいところです。原因ごとの対処はウォーターサーバーの音の原因と対策をまとめた記事で解説しています。
電気代を含めたコストを抑えたい方には、「every frecious」のような選択肢もあります。公式サイトによると初期費用や工事が不要な浄水型のウォーターサーバーで、月額料金と電気代の目安が機種ごとに公表されているため、契約前に合計額を確認しやすい仕組みになっています。
まとめ:仕組みを理解すれば電気代は抑えられる
ウォーターサーバーの電気代は、省エネ機能を使えば月400〜600円台が目安です。ただしこれは使用量にほとんど比例しない固定費に近い費用のため、水をあまり使わない一人暮らしほど、1リットルあたりの単価は高くなります。
一方で、金額そのものは総コストの1割前後にとどまります。エコモードを常時オンにして設置場所に気を配れば、そこから先に削れる余地はあまり残りません。
導入を検討する際は、電気代の安さだけで機種を選ばず、月額料金や水代を含めた合計額と、自分の使用量に合った配送頻度やプランを選べるかどうかで比較しましょう。目につきやすい電気代に気を取られて、より大きな金額を見落とさないことが、結果的に一番の節約になります。


コメント