ウォーターサーバーを使い始めてから「思ったより音がする」と感じた方、あるいは導入前に「ワンルームや寝室に置いて眠れなくなったら嫌だな」と不安に思っている方は少なくありません。
ウォーターサーバーの音は、鳴っている音の種類によって原因も対処法も変わります。この記事では、音の正体を種類別に整理したうえで、今すぐできる対策と、これから選ぶ人向けの静音性のチェックポイントを解説します。
※本記事の情報は、執筆・更新時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
そもそもどのくらいの音がするのか
ウォーターサーバーの稼働音は、一般的に45デシベル以下とされています。これは図書館の中と同程度の静けさにたとえられる水準で、日中の生活音の中ではほとんど気にならない大きさです。
それでも「うるさい」と感じるのは、多くの場合が夜間です。周囲が静まり返ると、日中は埋もれていた低音が急に目立ちます。つまり問題は音量そのものより、静かな時間帯に、寝る場所の近くで鳴っていることにあるケースが多いといえます。
※デシベルの目安は本記事の執筆・更新時点の一般的な水準です。実際の稼働音は機種や設置環境によって異なります。
音の種類別に見る原因
| 聞こえる音 | 正体 | 鳴るタイミング | 対処 |
|---|---|---|---|
| ブーン(低い持続音) | コンプレッサーの稼働音 | 断続的に繰り返す | 設置場所と緩衝材で軽減 |
| ゴボゴボ | ボトルに空気が入る音 | ボトル交換の直後・給水後 | 時間が経てば収まることが多い |
| ウォーン | 水を汲み上げるモーター音 | 水を出したときだけ | 不要(一時的な音) |
| ピキピキ・カチッ | 冷媒の流れ、再加熱の開始 | 短時間で収まる | 不要 |
| 上記以外の大きな音・金属音 | 故障の可能性 | — | サポートへ連絡 |
「ブーン」という低い音:コンプレッサーの稼働音
最も多いのがこのタイプです。冷蔵庫と同じように、冷媒ガスを圧縮して水を冷やすコンプレッサーが動くときに発生します。冷却力が強く短時間で水を冷やせる方式ですが、その分だけ動作音が出やすいという特徴があります。
冷却方式にはもうひとつ電子式(ペルチェ式)があり、こちらは動作音や振動が少ない代わりに、冷却に時間がかかる傾向があります。静音性を最優先するなら、まず自分のサーバーがどちらの方式かを確認するのが出発点になります。
「ゴボゴボ」という音:ボトルに空気が入る音
水を使ったあと、減った分だけボトルに空気が入るときに発生する音です。硬いボトルを繰り返し使うリターナブル方式では、水が減るたびに空気が入るため、この音が出やすくなります。
一方、使い切ったら破棄するワンウェイ方式のボトルは、水が減るとボトル自体が縮んでいく構造のため、空気の流入音が発生しにくくなっています。ただし、ボトルが変形するときに音がすることはあります。
「ウォーン」という音:水を汲み上げるモーター音
ボトルを本体下部に設置するタイプは、モーターで水を汲み上げる仕組みのため、給水時にこの音が出ることがあります。重いボトルを持ち上げずに交換できるという明確なメリットと引き換えの音なので、どちらを優先するかという選択になります。
なお、この音は水を出したときだけ発生する一時的なものです。常時鳴り続ける音ではないため、夜間の睡眠を妨げる要因にはなりにくい種類の音といえます。
この音と引き換えに得られるのが、ボトルを持ち上げずに交換できるという点です。交換の負担を下げる選択肢は下置き以外にもあり、持ち上げる重さで比べるとボトル交換が重いときの3つの解決策をまとめた記事で整理しています。
「ピキピキ」「カチッ」という音:冷媒や加熱にともなう音
冷媒が流れるときや、温水タンクが再加熱を始めるときにも小さな音が出ます。いずれも短時間で収まるもので、異常を示す音ではないとされています。
それ以外の異音は故障の可能性がある
これまでと明らかに違う大きな音、金属がこすれるような音、水漏れをともなう音が出ている場合は、故障の可能性があります。自分で分解せず、契約しているサービスのサポート窓口に連絡してください。サーバーはレンタル品であることが多く、自己判断での対処は保証の対象外になることがあります。
いつもと違う「変な音」がしたときの見分け方
ここまでに挙げた4種類は、いずれも正常に動いていても出る音です。問題になるのは「これまで鳴っていなかった音が急に出はじめた」というケースです。設置環境を直せば収まるものと、サポートに連絡すべきものを見分ける手順を整理します。
確認するのは「いつから」と「鳴り方」の2点
まず、音が出はじめたタイミングを思い出してください。設置直後から鳴っているのか、ボトルを交換したあとからなのか、それとも何の前触れもなく急に始まったのか。この違いだけで、原因の候補がかなり絞れます。
次に、鳴り方を確認します。
- ずっと鳴り続けている:コンプレッサーや設置面に関係する可能性が高い
- 数十分おきに鳴って止まる:冷却や加熱の周期にともなう正常な動作の場合が多い
- 水を出したときだけ鳴る:汲み上げのモーターや配管まわり
- ボトル交換の直後だけ鳴る:空気が入る音で、時間が経てば収まることが多い
「ずっと鳴っている」のか「特定の動作のときだけか」を区別できると、次に何をすべきかが決まります。
音の種類から原因の見当をつける
「変な音」と一言でまとめられがちですが、実際には性質によって対応が分かれます。
- 「シュー」という音や、水滴が落ちる音:水漏れの可能性があります。床が濡れていないか確認し、濡れていればすぐサポートへ
- 「キーキー」「ガリガリ」という金属がこすれる音:内部の部品に起因する可能性があります。自分では対処できません
- 「ガタガタ」という振動をともなう音:設置面の水平が取れていない、または床が共振しているケースが多く、自分で直せる側です
- 「カラカラ」という乾いた音:背面の放熱部にほこりが溜まっていることがあります。拭き取りで収まる場合があります
この4つのうち、自分で対処してよいのは下の2つだけです。振動とほこりは設置と手入れの問題なので、次のセクションの対策で改善する余地があります。
分解して確かめようとしない
音の発生源を確かめるためにパネルを外したり、内部を覗こうとするのは避けてください。多くのサービスではサーバーがレンタル品であり、破損した場合は自己負担になり得ます。水漏れや故障を新たに引き起こす原因にもなります。
利用者が手を入れてよいのは、注ぎ口・受け皿・ボトル差込口・本体の外装と背面の4か所です。冷水タンクや内部の配管には構造上どうしても手が届きません。音の原因がその内側にある場合、できるのは状況を正確に伝えることだけです。
サポートに連絡するときに伝えること
連絡する際は、次の5点をまとめておくと話が早く進みます。
- いつから鳴りはじめたか
- どんな音か(擬音で構いません)
- 鳴るタイミング(常時 / 給水時 / 一定の間隔)
- 使い始めてからの期間
- 直近のボトル交換やメンテナンスの時期
特に1点目と3点目は、正常な動作音か故障かを切り分ける材料になります。逆にこれが分からないまま連絡すると、確認のやりとりが増えて解決までの時間が伸びます。
今すぐできる音の対策
壁や家具から離して設置する
サーバーの背面にはコンプレッサーや放熱部が配置されています。壁にぴったり付けて設置すると、熱がこもって稼働音が大きくなったり、振動が壁に伝わって音が増幅されたりします。背面・側面ともに10cm以上のすき間を空けるのが基本です。
放熱を妨げないことは、電気代の面でもプラスに働きます。設置環境と消費電力の関係については、電気代の仕組みと節約方法をまとめた記事で解説しています。
背面にすき間を空けておくと、放熱部に溜まったほこりを拭き取れるという利点もあります。日常の手入れの範囲は掃除できる範囲とできない範囲をまとめた記事で整理しています。
床との間に緩衝材を挟む
振動が床に直接伝わると、床が共鳴して音が響きます。防音マットやカーペット、厚手のラグなどを敷くことで、振動が吸収されて体感の音量が下がります。専用品でなくても一定の効果は見込めます。
ただし、やわらかい素材の上に置くと本体がぐらつきやすくなる点には注意が必要です。設置後は必ず安定しているかを確認し、傾きがあれば硬めのマットに変えるなど調整してください。20kg前後の重量物が転倒すると危険です。
置き場所そのものを見直す
最も効果が大きいのが、寝室や枕元の近くから離すことです。フローリングの部屋は音が反響しやすいため、可能であればキッチンやリビングの隅など、生活音のある場所に移すと気になりにくくなります。
移す先を探すときは、本体の寸法だけでなく、放熱のためのすき間まで含めて測る必要があります。床面積・高さ・コンセントまでの距離の確認手順は設置スペースの測り方をまとめた記事で解説しています。
移動させるスペースがない場合は、設置面積の小さい機種への変更を相談するという方法もあります。省スペースな選択肢については卓上型の選び方についてまとめた記事もあわせてご覧ください。
エコモードやスリープ機能を使う
夜間の加熱や冷却の動作を抑える機能が搭載されている機種であれば、就寝時間帯だけ稼働を減らすことで音の発生頻度自体を下げられます。電気代の節約にもつながるため、機能があるなら使わない手はありません。
なお、衛生を保つため電源を完全に切るのは推奨されていません。長時間の停止が必要な場合は、各サービスの案内に従ってください。
これから選ぶなら見るべき4点
- 冷却方式(コンプレッサー式か電子式か)
- ボトル方式(ワンウェイかリターナブルか)
- 静音設計をうたっているか、数値やデシベル表記が公開されているか
- 設置予定の部屋から寝る場所までの距離
気をつけたいのは、音を理由に短期間で解約すると違約金がかかる場合があることです。「置いてみて無理だったら解約すればいい」という前提で契約すると、想定外の出費につながります。契約前に解約時の違約金についてまとめた記事も確認しておくことをおすすめします。
静音性を重視する場合の選択肢
静音設計を明示しているサービスの一例が「オーケンウォーター」です。公式サイトによると、サーバー本体は従来機種と比べて稼働音を約30%削減した静音設計とされています。
ボトルは使い終わったら破棄するワンウェイ方式のため、空気が入るときの「ゴボゴボ」という音が発生しにくい点も、音の観点では有利に働きます。エコモードによる消費電力の抑制にも対応しているとされています。
ただし、体感の静かさは設置環境と本人の感じ方に大きく左右されます。寝室に置く前提で検討している場合は、契約前に公式サイトで静音性に関する記載と機種の仕様を確認したうえで判断してください。
まとめ:音量より「どこに置くか」で決まる
ウォーターサーバーの稼働音は一般的に45デシベル以下とされ、数値だけを見れば大きな音ではありません。それでも気になるのは、静かな夜間に、寝る場所の近くで鳴っているからです。壁から10cm以上離す、床に緩衝材を挟む、置き場所を寝室から移すという3つの対策で、体感はかなり変わります。
これから選ぶ場合は、冷却方式とボトル方式という音の出やすさを左右する2点を先に確認しておきましょう。いつもと違う異音がする場合は故障の可能性があるため、自分で対処せずサポート窓口に相談してください。


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